【原版の特徴】

• MMPIはミネソタ多面人格目録とも呼ばれる質問紙法人格検査です．質問項目に「あてはまる」「あてはまらない」で回答した結果を評価し，多面的に人格を査定できます．
• MMPI-3はアメリカで2020年に公刊されたMMPIの最新版です．DSM-5に対応したパーソナリティ障害の尺度を持っており，最新の心理学・精神医学の知見を取り入れた内容になっています．
• MMPI-3の質問項目は335項目でoriginal MMPIの550項目より大幅に減っています．
• 時代の変遷に伴い，original MMPIの項目内容の一部が不適切だと指摘されていました．MMPI-3では宗教やジェンダーに関連する項目は全て削除され，評価も性別のない単一基準で行われるよう変更されました．
• 多種多様な52の尺度を有しています．高次尺度，再構成臨床尺度，特定領域の問題尺度とパーソナリティ精神病理５尺度の三層構造があり，尺度間の関係が明確です．
• 最も具体的な内容を有する特定領域の問題尺度は摂食障害，ストレス，強迫性，物質乱用，攻撃性，社交回避等多岐にわたります．
• 様々な角度から回答の妥当性を検証できる妥当性尺度と合わせて充実した査定を得ることが可能です．

【日本版の特徴】

• 日本版項目作成にあたっては，翻訳家も加わって言語・心理学の両面から検討が行われています．バックトランスレーションも行った上でミネソタ大学の承認を受けています．
• 国勢調査に基づき性別，年齢，教育歴，地域の層別に抽出した18歳以上1236名の健常群データに基づいて標準値を算出しています。また284名の臨床群データも収集しています．
• 妥当性尺度の一部は収集データに基づき日本版独自の項目構成に変更されています．